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何を考えているかわからない分を侮っていた様だ、何故ここまでして俺を嫌わないのだろう。
「犬ごっこ、懐かしいね」
俺は忘れていた、そう言えば4歳くらいの時だったかそんな遊びをしていた気がする。
「何で…怒らない、何で俺を嫌わない!」
「…………」
困った様に此方を見る優真、クラスの人達の視線がやけに痛かった。
それでも俺は止まれない、何故なのかは自分でもわからなかった。
「何でだよ…俺はお前に嫌われたかった、なのに何で言うこときいちゃうんだよ!」
「………から…」
顔を上げると優真は泣いていた、初めて見る優真の涙だった。
「好きだから…大好きだから!」
「じゃあ死ねって言ったら死ぬのかよ!」
俺は最低だ、幼馴染みに言ってはいけない事を言ってしまった。
優真は教室を飛び出し屋上に向かった、だけど俺に止める事は出来なかった。
「おい、一」
「なんだ…がっ!」
頭が揺れている俺は英斗に殴られたみたいだ、唇から血も出ている。
「頭冷やせ、馬鹿野郎が」
教室の中は俺だけになってしまった、俺は全員に嫌われてしまったのだ。
一人に嫌われようとするとどれだけ難しい事か、最初から出来る事ではなかったのだ。
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