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俺はなんて馬鹿な事を言ってしまったのだろう、俺は優真の所まで走った。
脇目も振らずに走った、涙だで霞んだ視界で走った。
「優真!」
クラスメイトが集まる屋上、まだ優真の姿がある。
「バイバイ、一」
「優真!」
~*~
俺が最初見たのは半分だけ見える白い天井と点滴だった、どう言う訳か両足は動かない。
「一…?一っ!?」
「ゆう…ま?」
喉が貼り付いて上手く声が出せない、顔は見えないが幼馴染みの聞きなれた声だった。
「記憶が…曖昧なん…だが?」
「良かった…一が生きてた…」
少し考えてみると屋上での出来事を思い出した、俺はあの時優真と一緒に落ちたんだ。
「あれからも私死ねなくて…ごめんね…」
起き上がって見てみると優真の腕にはプロテクターが巻いてある、多分リストカットして無理矢理付けられたのだろう。
「もう、私の事嫌いだよね…」
「当たり前だろ」
俺は深くため息をついて優真の顔に手を添える、俺は最初から嫌いだったんだ。
「嫌いだ、嫌いな幼馴染みだ」
「んっ……」
素直じゃない俺はこんな事しか言えない、だけど唇は嘘を吐いてないみたいだ。
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