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彼とは、新宿駅で出会った。
北海道の田舎町から就職のため、上京して三日目、駅で迷い、右往左往している私に、救いの手を差し伸べてくれたのが、彼だった。
「突然声かけてごめんね、もしかして、道に迷ってる?」
あたふたとしている所に、突然頭上から降ってきた声。
振り返るとそこには、今まで見た事のないような、美形の男の人がいた。
きちんとセットされたミルクティ色の髪。
切れ長二重の瞳はブルーグレー。
少し色白な肌。
見上げないと目線が合わないくらいの長身。
こんな素敵な人、テレビか雑誌でしか、みた事がなかった私は、返事することも忘れ、彼に見とれてしまった。
すると彼が
「ごめん、違った?さっきから同じ所を行ったり来たりしてるから、てっきりそうかと思って…」
と、申し訳なさそうに眉尻を下げて言うので、慌てて
「いえ、迷ってました。すいません…西口って、どう行けばいいんですか?」
と、質問した。
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