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『セ~~~~~~フ!』
『おっし~!あと五分だったのに!』
教室に駆け込むと、両手を上げて喜ぶ寿明(としあき)と両手でグーを作りながら悔しがる雄高(ゆたか)がいた。
『よくやった!カズ!これで今日のプリンは俺のものだ。』
そう言いながら、寿明(としあき)は肩を叩いてきた。
『なんだお前ら。俺が遅刻するかどうか賭けてたな?』
『その通り!なんだよお前、もう少しゆっくり来いよ。』
『なに!?人がこんなに汗だくになりながら、必死こいて来たってのにお前等は・・・。』
俺の顔に怒りが滲み出して来ているのを寿明が感じとったようだ。
『ま、まぁ、中に入って涼めよ。外暑かっただろ。』
『あ、あぁ。』
俺はふてくされながら教室に入った。
俺が通う中学校には公立には珍しく、全ての教室にクーラーがある。近くに空港があり騒音の問題で窓を開けられないため、なんとか条例とかいうので空港側が無償で設置するようになっているのだ。
外に出たらうるさいが、真夏にこんな涼しい思いが出来るのだから悪くはない。
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