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私が他の女の人のところに行かないでって言ったら、そうしてくれるかな・・・。
でも、他の姫様のほうが綺麗だしなぁ・・・。
「友雅、どうしてお前はわざわざ私の所に来るのだ?」
「それは、もちろん愛らしい姫君に会いに来たのだよ。」
「そうか。」
どうせ友雅にとって私は、そこいらの姫君と同じなんだろうなと思っていた。
この言葉もどうせ・・・。
そんな姫君を見て、今日の姫君は連れないなぁ・・・。
でも、気を引きたいものだ・・・。
「あぁ・・・。やきもちでも妬いているのかね?私が他の女性と会っていたから。」
「!!」
私は姫君の髪を緩く掴み、耳元で囁きかける。
自分の言ったことに、そんなこと、ないだろうが・・・。
とおもっていた。
だが・・・。
そうだったら嬉しいものだ。
私は驚いた。
友雅が耳元で囁いたのもそうだが、友雅から感じることのない陰の気を感じたからだ。
この感じ・・・。
どうして友雅から・・・陰の気が・・・。
まさか・・・友雅に呪詛が・・・。
「姫君?」
「友雅、どこか変な感じとかしませんか?」
「・・・あぁ。先程から首が痛くてね。見てくれるのかね?」
「はい。どのあたりですか?」
「このあたりに針が刺さっているような痛みがあるのだよ。」
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