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「何故じゃ……何故我らが諏訪に攻められねばならんのじゃ……しかもよりにもよって武田と手を組むなど……」
落ち着いたかと思うと今度は酷く落ち込む頼継。少々情緒不安定な主君には盛光だけでなく他の者も少しばかり手を焼いたいた。
「庶家でありながら本家をないがしろにする我らにいささか我慢の限界を越えたと言うことでありましょう。しかし、それを見抜き我らを攻めるように煽らせるあたり、武田にも頭のキレる者がいるようですな。」
敵ながら天晴れと関心する盛光に合点のゆかないような顔で頼継は訪ねる
「ないがしろ?ないがしろにしたかの?わしらそのようなことしたかの??」
「頼継様、そのようなお戯れは……いえ、何でも御座いませぬ。」
言いかけた言葉を止める盛光
(恐らく本気で我らに責は無いと思っておられるのだろう。口に出すだけ無駄じゃな。)
「それにしても頼長は遅いの!まだかの!」
(犬畜生の方がまだ少しばかり利口だな。)
我が主君ながら呆れる盛光、そこに漸く頼長が到着する。
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