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今私は、毎日城にて行われている評議会へ向かっている。
腐ったこの国の大臣どもを相手に正しい政治が行えるわけもなく……私はいつも最悪な結果にならぬよう、誰からも反論されない意見を出すのに必死になっている。
姫様が女で、まだ子供だという理由で政治に参加させない彼らは先代の王亡き後全てを滅茶苦茶にした。
彼らにとって邪魔になる大臣達は、でっち上げられた証拠と事件でみな位を落とされるか地方へ飛ばされた。
私の地位は彼らと同じくらいには高いが、所詮は多勢に無勢……全てを止める事はできなかった。
そんな彼らに姫様が黙っているはずもなく、それらに対して意見を述べたのがいけなかった。
彼らは、邪魔に思った姫様を彼女の部屋に軟禁し仕事という名目で報告書や申請書を押し付けている。
そして、その書類でさえ彼らが選び当たり障りのないものだけをまわしている状態だ。
さて、この大扉をあければ彼らが下品な嘲笑を浮かべながらふんぞり返っているのだろう…。
――コンコン…
「騎士団長リンクです…失礼いたします」
扉をあけ、空席となっている上座に一礼し入室。
指定されている席に座り、会議がはじまるのを待つ。
「……えーではそろそろ本日の会議を始めたいと思…」
――バンッ!!
「すまん遅れた!」
「…う……何故貴様がここにおるのだレインっ!?」
大臣の声を騒音で遮り入ってきたのは我が国の傭兵兼勇者、レイン。
「何故とはつれないですねぇ狸…コホンッ…ナポル大臣閣下?私には自由に参加する権利があったと思いましたが……先代亡き後、その恩さえ忘れ去り私まで格下げですかねぇ?」
「くっ……座りたまえ」
「ありがとうございます、喜ばしきことこの上ない」
………レインの口の悪さは、相手を挑発するにはちょうどいい。
でも……今日ぐらい黙ってろよ。
まぁ……彼に真っ正面から反抗する大臣はいないのだが。
『勇者』がこの国を見捨てたら最後、この国は彼によって潰されかけない。
民の人気もあるし。
武力は国一番、先先代の王が大国との戦で勝利したのもレインのおかげだから。
その時の活躍により、彼は傭兵という平民より下の位にも関わらずここに参加しているのだ。
と、いっても彼も領地を持った時点で傭兵から領主に格上げされたのだが彼が傭兵だと名乗るから周りはそれを忘れているにすぎないのだが。
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