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「俺は、レイン貴女は……?」
「私はルージュ、舞踏会の招待客ですの?」
「あぁ。ルージュって……あのルージュ様か?」
あのって何よ。
「ルノール家、第一王女ルージュですわ」
柔らかく微笑みながら告げると、相手があわてているのが伝わってきた。
「そうとは知らずご無礼を……」
「いえ、気になさらないで下さいませ。…………それよりこちらで一緒に景色でもどうですか?」
「はい」
月明かりの中へ出てきたその人は、なかなかのイケメn……
えーっと、素敵な貴公子でした。
私の腰かける岩の隣に立つレインに、同じように座るよう言うと最初は渋っていたが結局座ってくれた。
「綺麗でしょう? ここは私しかしらない絶景なの」
「本当に綺麗ですね。」
お互い町に目を向けたまま時々言葉をかわす。
……無口な人。
「貴方は……レインは他の方のように騒がしく話しかけないのですね」
小さく呟くと、レインが微笑む気配がした。
「話しかけた方がよろしいですか?」
「いえ……自慢話なんて飽きてしまいましたもの」
「なら良かった」
とっても大人っぽい人だな。
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