一章 ルージュ舞踏会にて

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「俺は、レイン貴女は……?」 「私はルージュ、舞踏会の招待客ですの?」 「あぁ。ルージュって……あのルージュ様か?」 あのって何よ。 「ルノール家、第一王女ルージュですわ」 柔らかく微笑みながら告げると、相手があわてているのが伝わってきた。 「そうとは知らずご無礼を……」 「いえ、気になさらないで下さいませ。…………それよりこちらで一緒に景色でもどうですか?」 「はい」 月明かりの中へ出てきたその人は、なかなかのイケメn…… えーっと、素敵な貴公子でした。 私の腰かける岩の隣に立つレインに、同じように座るよう言うと最初は渋っていたが結局座ってくれた。 「綺麗でしょう? ここは私しかしらない絶景なの」 「本当に綺麗ですね。」 お互い町に目を向けたまま時々言葉をかわす。 ……無口な人。 「貴方は……レインは他の方のように騒がしく話しかけないのですね」 小さく呟くと、レインが微笑む気配がした。 「話しかけた方がよろしいですか?」 「いえ……自慢話なんて飽きてしまいましたもの」 「なら良かった」 とっても大人っぽい人だな。
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