一章 ルージュ舞踏会にて

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しばらくの沈黙が漂う。 心地がよい風が頬を撫でた。 星になってしまったお祖父様が微笑み頷いている気がした。 せっかくのお誘いを断ったからレインが気を悪くしたかと窺うと、さっきよりも嬉しそうな…優しい顔で笑っていた。 「ルージュ様、貴女は素晴らしい君主のようだな。気に入った。だからアンタを死なさない……この俺様レインがアンタのために一肌脱いでやるよ」 そう言うと、突然立ち上がり走り去ってしまった。 ……一肌脱いでやるよって一体何をするつもりかしら? でも…私をこの檻から連れ出してみせると言った彼なら…… この国を 変えてくれるかもしれない―― ,
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