第5章・触り見る

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「……」 痴漢さんは無言で帽子とサングラスを外して、長机に置いた。 「……女?」 そう、痴漢さんは男ではなく、女だった。 しかもかわいい。 髪の長さは漆原や雛森よりも長く、茶色い。 漆原や雛森の顔立ちは大人っぽく、美人系だが、この娘は子供っぽく、かわいい系。 いかにも小動物って感じだ。 「とりあえず身分を証明できる物とかある?」 駅員さんは彼女に優しく聞くが、彼女は無言で首を横に振るだけだった。 「彼女の身分を証明できるくらいのプロフィールは書いておきましたよ?」 雛森がノートの切れ端を駅員さんに渡した。
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