第5章・触り見る

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そしてもう1人。 春なのに真っ黒の足の辺りまでの丈のコートを着ていて、黒いソフト帽に、黒いサングラス。さらに靴は黒い革靴と、全身真っ黒の格好をしている。 Wのシュラウドのような格好だ。 雛森は知り合い程度の関係だけど、こいつとは友達関係だ。 「えっと、とりあえず名前を教えていただけますか?後住所とか、電話番号を」 と、駅員さん(20代男性)が僕たち痴漢を捕まえた組3人に聞いてきた。 「立陽学園1年2組の雛森神無です。生徒会長を務めています」 そう言って雛森は生徒手帳を差し出した。 確かに生徒手帳を見せれば住所とか電話番号とか載ってるから便利だよな。 しかし僕は今、生徒手帳を持っていないし、喋るのが苦手なので、用紙に書くことになった。 そして最後の1人、 「漆原黒子です」 そう、全身真っ黒の人は、我がクラスの委員長、漆原黒子だったのだ。
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