29人が本棚に入れています
本棚に追加
「しかし、あそこには…。」
どうしても諦めきれないクロムを止めたのは、同じくクルーエルに所属する女性パイロット、シャナ・ロードライト少尉だった。
「クロムの言いたい事は分かるけど、上層部の指示には逆らえないよ…。」
「くっ………。」
悔しさをあらわにするクロム。
そんな彼に、オルディンは言った。
「クロム少尉、貴官には入院中の母親がいるそうじゃないか。今回のミッションを成功させれば、母親の治療費、入院費、その他もろもろを軍で全額負担しよう。」
「軍で…?」
「これで、父親の負担を減らせるな。お前もそのために軍に入ったのだろう?」
「そうですが………。(あそこは俺の故郷、いったいどうしたらいいんだ。)」
「今回のミッションに参加するかはお前次第だ。だが、もし参加するというのなら言っておく。割り切れよ。でないと、死ぬぞ…。」
最初のコメントを投稿しよう!