1722人が本棚に入れています
本棚に追加
/301ページ
「・・・う。」
クロスが目を覚ました。その目の前には頭に赤いバンダナをした少女がいた。
「ぅわぁ!!」
顔があまりにも近いのでびっくりしてしまった。
「よかったぁ。目を覚ましたみたいだな!安心したよ。」
少女は立ち上がりニッとクロスに笑いかける
「ご心配ありがとうございます・・・。確か僕はフロントで・・・。」
言いかけた言葉を焦った少女が遮る
「あ、あぁ!自己紹介がまだだったな!アタシはここのオーナーの氷室 凜。アンタは・・・?」
言葉を遮られて不思議そうな顔をしているクロスに尋ねる
「クロスです。クロス・ハートといいます。」
笑顔で答える
その笑顔で凜の顔が赤くなった
「クロスね!じゃあアタシは稽古があるから・・・。食料が欲しいならこの宿の前にある店で買うといいよ。なんかあったら呼んでくれよな!」
クロスの微笑みにグッときながらも、凜はそう言い残し部屋を出ていった。
「元気な人だ。」
そう言って立つと頭に鈍い痛みを感じて顔をしかめる。
「・・・?」
首を傾げながらもキッチンにむかう。部屋は以外と広いようだ。
「紅茶を飲んだら食料を買いに行きましょうかね。」
そういいながらクロスは慣れた手つきで紅茶を作り始めた
最初のコメントを投稿しよう!