出会い

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    「フゥー・・・。」     息を整える凜の腰には日本刀          キィィィン     鞘から放たれた刀身は、その姿を見せずにまた鞘に戻る 腕前は相当の物だ     「ヒュゥ・・・。」     体の力を抜いて地面に座り、首に掛けてあるタオルで汗を拭く              パチパチ         拍手が聞こえる 凜が後ろを向くと、クロスが二人分の紅茶を持って立っていた     「お見事ですね。」     自慢の笑顔をしながら凜に紅茶を渡し、自分も隣に座る     「氷室澪の娘ですか?」     魔物と闘った剣豪で『Wing・Guard』だった 氷室澪 今はもう亡くなっている     「あぁ、仲間に裏切られて、上の命令で何処かの街を守るために少ない兵で数千の敵と闘って・・・。」     凜は言葉を止めた     「人は何かに怯え人を裏切り、傷つける生き物です。」     クロスは笑顔を崩さない 凜はカッとなった     「お前に何が解るっていうんだ!!!」     怒りに身を任せる 言葉を続けようとしたがクロスの言葉に遮られた     「それでも僕は人を信じ、守りたいと思います。憎しみは悲しみを生み、また争いを続けてしまいますから。」     その言葉に凜は自分が怒っていたことが馬鹿らしくなった     「まぁ僕はひ弱ですけどね。」    苦笑する     「お前って不思議なやつだよな。」      ニッと笑う     「クスッ、よく言われます。あぁ・・・、もうこんな時間だ。よろしかったら夕食を一緒に食べましょう。」      凜に手をかし立たせる     「あ、あぁ・・・。」     戸惑いながらもクロスの部屋に向かった   何故クロスが自分の父親をしっているのか。そんな疑問も浮かばずに
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