出会い

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クロスの部屋は美味しそうな臭いが漂っていた     「僕、料理得意なんですよ。」     そう言って、テーブルに座っている凜の前に料理をだす     「ウマソウだな!・・・なんかわりぃな、逆の立場なのに。」     確かに凜は逆の立場どころかクロスを後ろから殴っている     「いいんですよ、これからお世話になるんですから。」     微笑みながら新しい料理を出して自分も凜の前に座る      「では、いただきまぁす。」     クロスの手料理を食べだす クロスはそれを食べながら見ている     「うまいよ!プロより凄いかもな!」     そう言って食べる凜にクロスはクスッと笑いを漏らす     「なんだよ?」     ムスッと頬を膨らませる     「すみません。可愛い人だなと思いまして。」     凜は焦る     「な、なにいきなり変なこといってんだよ!」     顔が真っ赤になっている     「クスクスッ。」     クロスは今にも大笑いしそうだ     「ったく。あ、そういえばお前の事あんまり聞いてないな。」     確かに凜からすれば不思議な奴だ    「なんで旅をしてるんだ?」     口の中の物を飲み込みながら聞く    「少しやらなきゃいけない事が出来まして。」     クロスが言葉を濁したのでそれ以上聞かない事にした     「目的地は?」     どの料理に手を付けようか迷いながら言う     「『END』です。」     禁断の地の名前を聞いておもわず凜はフォークをおとす     「はぁ!?お前あそこは『Deep・Dark』の本丸がある場所っていわれてるぞ!?しかも手下の魔物がうじゃうじゃいるらしいじゃないか!」     クロス「そうらしいですね。」     あっさり答える     「そうらしいってお前・・・。」     凜は呆れる。 『END』は人々がその名前を聞いただけでも恐れる場所だ。 しかも、いかにも戦闘に向いてなさそうなクロス。 凜はため息が出る     「お前がやらなきゃいけない事ってなんなんだ?」      禁断の地に行くという自殺行為をしてでも行く理由。凜は気になった     「それは・・・。」     クロスが口を開いて言葉を出そうとした その時だった            ドォォォン!!!         轟音が外から響き窓ガラスが割れた
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