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プロローグ
「あぁ、またか。」
思わず呟く。
高校を卒業して間もない社会人1年目のある日、ネットで知り合った人と始めて会ったその日に体の関係を持った。
その後も、何度か会ったが「付き合ってくれないの?」の私からの問いは毎回笑って交わされ、すぐにいびきをかいて寝られた。
「家に行きたい。」というと、「寮に住んでいるから。」と場所すら教えてもらえなかった。
自分のことを話してくれた事なんて一切無かった。
唯一教えてくれたのが名前と年齢だったのだが、それが本当の情報だったのかもわからない。
友達に「そんなやつやめとけ。」と言われてもやめられず、今までずるずると関係が続いていた。
ただ私を一番に思ってくれる特別な人が欲しかったのだ。
この先そんな人現れないんじゃないかと思うと「都合のいい女に思われている。」とわかっていても、そんな最低な男すら手放すことが出来なかった。
ある日、そんな最低な男からも連絡が途絶えた。
こんな日が来るのはわかっていたのに、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになった。
誰か私を愛してください。
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