迷い戸惑いそれでも私は

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自分 というのが解らなくなった 人はワタシを指差し言った 「足掻いたって結果は同じさ」 自我 というのを見失った 人はワタシに口々に言った 「オマエは彼奴にはなれまいよ」 自身 の言動に疑問を感じた 人はワタシを罵り、言った 「オマエは何がしたいんだ?」 「どうせ何も、変わりはしないのに」 ワタシは唯一私になれるものだからと 私はワタシに何を求めたのでしょう。 ワタシは欠落した穴を埋めるべく ありとあらゆる知識を手に入れた それでも穴は埋まることが無かった それでは何が足りないのだと 私に縋り泣き叫んだ 早く己を取り戻したかったのに かつてワタシだった筈の私はワタシに 何も教えず妖艶に口角を吊り上げた _
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