慶吾

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「H・E・L・P・E・R、HELPER(ヘルパー)?!」 英語のスペルを一つずつ読んだ剣一は、頭の中でその単語の意味を確認した。 「ヘルパーって言うと、ホームヘルパーとかのヘルパー?! なんか英語にして格好良くしたつもりなのか?」 一瞬、(こんな仕事は俺は向いてないな)と、剣一はその場を後にしようとした。だが、今の自分の立場を思い出し、もう少し目を通すことにした。 「全然内容書いてないじゃん。まあ、これよりいい仕事なんか普通にあるしな。やっぱり俺は向いて・・・・・んっ!?」 一つの項目を見た瞬間、剣一は来た散歩道を、颯爽と走りながら戻っていった。その項目は、 (年齢、経歴問わず。資格いらず。その場の面接で判断。定員残り僅か!) 今まで探した仕事は、面接は受けたものの、資格や成績の差で入社出来なかった剣一だが、面接だけは誰よりもやっていると、それに自信を持っていた。 「やっと、やっといい仕事見つけたぁぁぁ~!!!!」 叫びながら剣一は家に駆け込み、靴を蹴るように脱ぎ捨てた。
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