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「輝ー、ってなんでそんな地味な場所にいんだよ」
地味って言葉が気にくわなかったけど、
今はそんなことじゃない。
さっきから何回も呼ぶ名前。
『輝』
私の脳裏に、放課後の出来事がよぎる。
早く…出なきゃ。
足を動かそうと試みる。
でも、やっぱり動かない。
ここに居る“輝”と呼ばれる男の子は私の知っている“輝”じゃないかもしれない。
それに、男の子だなんて決めつけちゃって…女の子ってことだってある…
「ここ、好きなんだ」
ドクッと心臓が跳び跳ねた。
この声…聞いたことある。
この声は…間違えない。
私の苦手な━━━…
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