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ラッシュ時の、人が列をなして歩いていく様を見るのが好きだった。
電車に並ぶ人達を見て哲也は昔を思い出していた。
皆が当たり前のように同じ服を着て、同じ方向に進んでいく、それが不思議でしょうがなかったのだ。
小学五、六年くらいのことだったと思う。よくそのことで母に尋ねて母を困らせていた。
そのせいだろうか。
今でもスーツを身に纏って、人と同じ様なことをしてまで働くことに違和感を感じる。
そんな仕事はしたくないと職を選んでいたら、いつの間にかニートと呼ばれるようになってしまっていた。
『はぁ~っ。』
電車に乗り込みながら哲也はため息をついた。
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