壱__思い出の場所

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『おいっ!やめとけって!』 哲也の背ほどある柵に跨がりながら一樹は振り返った。 『大丈夫、大丈夫。そんなに高くないから。ほらっ、テツも来いよ!』 そんなことを心配しているのではない。これは完璧な不法侵入だ。 『早く来ないと先に行くぞ!』 一樹は人の制止など聞かず、一人で建物の中に入っていってしまった。 『はぁ、全く。』 こうなったらもう行くしかない。一樹は一見まともそうに見えて俺より無鉄砲なところがある。 緑の網でできたフェンスをよじ登ると一樹のあとを追った。
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