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「祐介君、遅いなぁ…。」
「まさかアイツ、一人で逃げたんじゃないだろうな…。」
「アンタじゃないんだからきっと帰ってくるわよ。」
「あんだと…?」
「静かに!放送が…」
皆が祐介の事で議論になっているとき、放送が一つ入った。
「お待たせ致しました。間もなく第2ゲーム、かくれんぼを開始します。現在脱落者は4名。それでは皆様、幸運をお祈り致します。」
「なっ、脱落者は…。4名?だったら、祐介君はもう、戻ってこない…?」
「そんな!祐介君が…。嘘よ!」
女子の一人がショックに泣き崩れた時、無情な数字が聞こえてきた。
「1、2、3、4、5…」
「やばい、何処かで数を数えてやがる…。俺は死、死ぬのは御免だぜ!死んでたまるかよ!」
金丸が吠えた時、言葉が聞こえた。
「もういいかい?」
「まだだ!まだだからな!」
金丸が素早く答えると、声の主は再び「1、2、3、4、5…。」と数を数え始めた。
「とりあえず、早く隠れよう!」
祐介の代わりに古橋が声をかける。それに皆呼応し、一目散に駆け出した。
しばらくして
「もういいかい?」と声の主が聞いたが、答える声は無かった。
そして、それと同時にアナウンスが入った。
「もういいよ。」
そして、第2ゲームが開始された。
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