まずはご挨拶

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「外はどうなったのかな…。」 「分かりません。来栖さんのメッセージを受け取った人なら来てくれると思いますが…。」 その時、牢獄の扉がバタンと開き、赤羽さんが現れたんだ。 「ここね…。西園さん、春日夜くん、来栖さん、居る!?」 「赤羽さん!?ここだよ!」 呼び掛けると赤羽さんはすぐに気付いてくれた。 「良かった、皆無事ね。待って、今開けるから。」 赤羽さんはポケットを探ると鍵束を取り出して南京錠の鍵穴に合わせ始めた。 「赤羽さん、皆は?」 僕が赤羽さんに皆について聞くと、赤羽さんは視線を落として言った。 「ごめん。赤星くんと私はここに来ることが出来たけど、残りの皆はもうここには来れないの…。しかも、金丸くん、森本さん、桜田くんは永遠に…。」 そこで、赤羽さんは言葉が出なくなった。 「そ、そんな…。」 僕らもそこから先は聞かなかった。いや、聞けなかった。 聞かなくても、十分分かったから。 それから、赤羽さんが牢の鍵を開けるまで誰も言葉を発することは無かった
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