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「うわ、やっぱり夜間はこの洋館、不気味だね…。」
僕の名前は春日夜弘人。この近くの高校の二年生。これといった特徴無しの地味な奴。
「そうだな。でも、やっぱり肝試しするならこういう雰囲気が良いよな!」
こう言ったのは僕のクラスメートの赤星祐介。スポーツ万能でイケメン。今日も祐介目当ての女子が数人ついてきてるし。
「祐介君は凄いね…。僕はもう足が震えてきたよ…。」
こっちで震えているのが同じく僕のクラスメートの古橋卓也。こっちは勉強が優秀だけど、極度の怖がり。何でついてきたのかが分からないね。
「おいおい、大丈夫か古橋?やっぱ怖いんなら帰っていいんだぜ?」
「ぼ、僕は大丈夫だよ…。それより、弘人君は大丈夫かな?」
古橋君が僕を心配してくれる。だけど、僕はこう言った。
「僕?僕は全然平気。それよりも女子の方が僕は心配だよ。」
「私達だって平気だよー。いざとなったら祐介君が助けてくれるよね?」
「ん?あぁ、それはもちろん。女子のエスコートは男子の勤めだからね。」
「キャーッ!祐介君カッコイイ!」
くっ、何だろう…。この劣等感は…。
「さて、そろそろ始めるか。じゃああの時決めたペアを組むが、きちんと組めよ!均等に居るハズだから、ズルしてもばれるぞ。」
その言葉に何人かの女子が動きを止めたのは言うまでもないかな…。
そして、数分後…。
「よし、組めたか?じゃああの時の順番で5分事に入っていく。まずは…。西園、春日夜ペアか。よし、気を付けてな!次の金丸、秋月ペアは準備しとけよー?」
祐介の鼓舞に後押しされて、僕は西園さんと一緒に一足先に洋館の中に入っていった。
洋館の中は見た目と違ってなかなか綺麗だった。まるで今も誰かが住んでいるかのように。
「えっと、西園さん。まず、何処から行こうか?」
「………二階です。」
「二階?でもここ、二階なんてあるようには…。」
「あそこを…。」
「あ、本当だ。階段があるね。上ってみる?」
コクンと小さく頷く西園さん。そして、僕は西園さんと一緒に二階を探索することにした。
しかし、この時の僕達はまだこの洋館の異変には気づいていなかった。
異変に気づいたのは、皆がこの洋館に入って15分位してから、皆が一度中で集合した時。僕を含めた何人かが声を聞いたんだ。居ないハズの声を…。
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