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「よし、集合したな。じゃあ今回の目的はとりあえず屋敷の探索だ。外観から見たところこの屋敷はそんなに広くないからすぐに終わるだろう。じゃあ「ようこそおいでくださいました。」…。え?」
「ゆ、祐介…。今、誰が喋ったの…?」
その場で声を聞いた全員の血の気が退く。
「お、俺じゃない…。だ、誰だ…?」
そして、僕達は一斉に声を聞いた方を向く。そして見つけた。居ないハズの、少女を。
「ようこそおいでくださいました。私はこの屋敷の当主をしております、高梨真澄と申します。以後、お見知りおきを。」
「高梨、真澄さん?」
僕が恐る恐る聞き返すと彼女は丁寧に教えてくれた。
「はい、私は高梨真澄と申します。失礼かとは存じますが、あなた様のお名前は?」
「あ、僕は春日夜弘人と言います。」
「春日夜様…。分かりました。では、あな」
「私は西園有理沙と申します。」
高梨真澄と名乗る少女が名前を聞く前に素早く西園さんが名前を答える。すると、高梨さんが少し妙な顔をした。
「西園様…。分かりました。」
そうして、ある程度僕達に質問し終わると、彼女は言った。
「改めまして、本日はようこそ我が屋敷へおいでくださいました。さて、早速ではありますが、皆様に少しゲームをお楽しみ頂けたらと思います。」
「ゲーム?」
誰かがそう聞くと
「はい、そのゲームの名は鬼かくれんぼです。」
「鬼かくれんぼ?」
また別の誰かがそう聞くと
「はい、ルールは簡単です。まずは鬼ごっこをして、ある秒数が経つと鬼役が後ろを向き、数を数えだしますので、皆様は急いで隠れてください。後は一定時間まで隠れていて下されば皆様の勝ちでございます。簡単でございましょう?」
「た、確かに…。」
皆で納得する。けど、何かしっくり来ない…。
「では、鬼役の方をお呼びしてきますので、少しお待ちください。」
「待って、聞きたいことがあるんだけど。」
立ち去ろうとした高梨さんを急いで呼び止める。
「何でございましょうか?」
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