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一方古びた洋館では
「あれ?そういえば、弘人と西園さんが居なくなってるな…。あの二人、一体どこに…?」
「廁だろ、廁。」
「廁って…、アンタねぇ…。」
残された祐介達が消えた二人について議論しあっていると、何処からともなく声が聞こえた。
「お待たせ致しました。間もなくゲームを開始させていただきます。それでは皆様、この一夜をお楽しみ下さい。」
声が終わると同時に、バンッと後ろのドアが勢いよく開き、入ってきたのは人ではなかった。
「お、鬼…!?皆逃げろぉーっ!」
祐介の号令で一目散に逃げ出す。そんな中でプレイヤーの一人、来栖みかんは冷静に鬼を分析していた。
「………あの鬼達。私達を捕まえる気は無いですね。私達をどうする気でしょうか?」
「ちょっ、何を冷静に分析してるの!?来栖さん、急いで!」
見ると皆のグループから来栖のみが離れてしまっている。このままでは後ろの鬼に捕まるのは間違いない。
「私は大丈夫です。足手まといなのは自覚してます。ですから、皆さんは先に逃げて下さい。」
来栖はそう言うとくるりと向きを変え、別の方向に走っていってしまった。それを見た後ろの鬼達は数人が来栖を追い、消えていった。
「………来栖さん。君の犠牲は無駄にはしないよ…。」
「来栖のぶんまで、俺達は逃げるぞ!捕まってたまるか!」
再び祐介の鼓舞で皆は希望への道を走り出した。
しかし、回りだした歯車は止まることを知らない…。
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