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マイがパクられたって噂を聞いて、友達が様子を見に来てくれた。
…長い付き合いのリョウジには、弱い面も見せられる。
「…俺、弱いよな。マイがいなくなったら何もできない。自首することさえできねぇ。…あいつ、逮捕初めてで不安な筈なのに…妊娠して、大事な時期に馬鹿な事させた。なのに…俺を責めない。それどころか庇い続けてる。俺…マイにどんな顔してみせればいーのかわかんねぇよ。」
「…もう、ヒロさん一生マイさんに頭が上がらないよね。」
…頭上がらないどころじゃねーよ。
「でも、マイさんの望みはヒロさんが逃げ切る事、なんでしょ?…どこまでやり切れるかはわかんないけど、やり切ってみれば?」
…そんなセリフを残して…リョウジは『差し入れ』と覚せい剤を置いて行った。
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