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    ―クリスマス― 紗耶香と貴史は,一緒にいた。 地元では,割と有名なクリスマスツリーのイルミネーションを眺めていた。 「きれいだねぇ…」 「だな。すげぇな」 ツリーの迫力に会話も弾まない。 ただ,繋がっている手だけは少し熱を帯びている。 「来年も来ような?」 「うん!!絶対だよ♪」 なにげなく交わした約束。 この頃はなんの疑いもなく,二人で過ごす未来を想像してた。 実際は,果たされることのなかった約束。 貴史はサッカーをするために,紗耶香には言わずに外部の高校を受験していた。
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