月に手を伸ばす

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「先生~!!」 「。。ん~?どうしたぁ~?渦波~?」 俺は今日、担任の先生に告白する。 俺も先生も男同士だけど、駄目で元々だし、伝えるくらい許してほしいと思うのは俺の我が儘? 「あんさぁ~今日放課後時間ある。。?」 「放課後ねぇ~。。。今じゃダメなわけ?」 「。。。うん」 「う~ん。。まぁいいか。」 「本当に!?じゃあさ!じゃあさ!放課後に補習室で待ってるな!!」 「はいはい。ほら、次も授業あるだろ~早く行きなさいよ~。」 「うん!!先生また後でね!!」 こんな小さな約束1つで、何だか月に少し近付けた気がした。でも、多分明日にはまた海の底で見つめるだけの日々だ。 今日の放課後先生と一緒に居られるだけで幸せだから、これ以上は求めない。 「あ~!!早く放課後にならないかなぁ~!!」 「ゴホッ。渦波君。楽しそうですね」 「あっ!!疾風先生!!」 疾風先生は、俺の気持ちを知ってる数少ない先生だ。 いつも今みたいに気軽に話しかけてくれる。 優しくて、カッコイイけど。。。いつも体調が悪そう。 「渦波君。ゴホッ。何かいいことあったんですか?」 「フフ。。今からあるんだよね~!!」 「そうですか。良かったですね。ゴホッ」 「うん!!あっ!疾風先生にも明日報告に行くからね~!」 「ゴホッ?報告。。ですか。。。?」 「うん!!じゃあまたね~!!」 「ゴホッ。。?」 それから放課後まではスゴく長く感じて、授業もいつもよりつまらなかった。 早く 早く 先生に会いたい。
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