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僕の目は、世界が白黒にしか見えない。
でも僕はそれを不自由だと思ったことはない。
生まれたときから白黒で、色というものを知らないから。
でも美術の時間は、苦痛でしかなかった。
視界が白黒だから、色をつけることができなくて、それを知らない先生に怒られる、なんてことが先生の代わる度にあった。
でも鉛筆で描く絵は上手いと好評で、みんなに褒められていた。
それ以外は、普通の人と変わりない生活を送れるし、できないことはないかった。
でも……一度でいいから『色』というものを見てみたい、それが僕の夢だった。
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