14.朝までずっと…

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キス、されるかと思った。 でもそんなの、ただの自意識過剰だった。 今までとは違う恥ずかしさでいっぱいになる。 紘兄は私の事、からかっただけ。 それにしたって、恋愛初心者の私に、こんなからかい方って酷い…… 未だ肩を揺らし続ける紘兄をキッと睨みつけると、紘兄の笑いがピタリと止まった。 「ごめんね、羽海。 ……怒った?」 ええ、怒ってます。 けど。 自意識過剰だった自分に一番腹が立ってます。 「ちょっとふざけすぎた。 ……ごめん。」 黙ったまま睨み続けている私に、紘兄はポツリと呟いく。 ……恥ずかしい。 自分の勘違いを隠す為とはいえ、紘兄を睨みつける事でごまかしている自分が。 ちょっぴり自己嫌悪……。 .
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