14.朝までずっと…

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……そうだった。 お店の駐車場で紘兄と話して以来、今日まできちんと話、出来てなかった。 でも。 「もういいです。さっき陸兄たちと話してるの見てたら、やっぱり私が勝手に誤解してただけだって判りましたから。」 本当はまだ少し気になる事はある。 けれど、からかうのは別として、子供の頃から優しかった紘兄が嘘なんてつけるはずない。 だから紘兄が言った事を信じよう。 そう思い、紘兄に奪い取られていた布団を自分の方に引っ張る。 しかし、それはすぐにまた紘兄によって捲り取られてしまった。 「まだこれはダメ! 羽海がよくても、俺がよくない。 きちんと話さなかったから俺と里香さんが結婚するってあり得ない誤解したんだろ?! 羽海はそのままでいいから。 きちんと話をさせてくれないか?」 ………ごもっともです。 あまりの紘兄の剣幕に、私は「はい。」と返事をするほかない。 . .
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