14.朝までずっと…

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……ギシッ 話を聞こうと起き上がると突然、紘兄がベッドに上がってきた。 「まずは……、ゴメン。」 わざわざ正座をし、頭を下げる紘兄に、私は何の事か見当がつかない。 「あの……、紘兄? 何がゴメン?」 聞きながら、つい紘兄につられて私まで正座してしまう。 「このゴメンは、ホテルで無視してゴメンのゴメン。 あの時は里香さんに羽海の事、知られたくなかったんだ。」 「そっか……」 ズキン…… 何で?何で叔母さんである里香さんに私の事知られたくなかったの? 紘兄の言葉に胸の奥が痛む。 「あー……と、違くって……」 落ち込む私を見た紘兄が困ったように頭を掻きむしった。 「あのさ、里香さんが叔母さんだって事はさ、当然諒にとっても叔母さんになるんだよ。」 「はい……?」 「って事は里香さんに羽海の事がバレると諒にもバレるわけ。」 「はい……」 「……困るだろ?」 「え?」 「俺が困るだろ?」 「困る……の?」 なんで? なんで私のせいで紘兄が困るの? .
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