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3月18日、私たちは卒業式を終えた。(もうこの教室でみんなで笑いあうことはもう無いのか…。)そう思うと、なんだか涙が出てきそう。担任の先生が、
「今日でみんなこの『教室』と言う名の巣から飛び立ちます。今までの思い出を胸にしまって、元気よく飛び立っていって下さい!」
こんな先生の話をこうして聞くのも最後。でも、まだピンとこないなぁ…
「未来!なにしてんの!?急いで!全員写真撮るよ!!」
杏菜に呼ばれて、走って写真を撮りにいった。
写真を撮りおわっても、クラスのみんなが教室に残っている。私もなんだか名残惜しくてなかなか教室を出ることができない。
学芸会で主役だった拓人くん、今日の合唱でピアノを弾いた愛ちゃん、運動会で応援団長だった和輝くん…
この学級のみんなの顔を見ると、いろんな思い出があふれ出てくる。
寄せ書きや写真の撮り合いっこ、思い出話が終わり、みんなが帰りはじめた。
「じゃあまたね~!」
手を振り合うこんな毎日の姿を、ここで見るのも最後。最後のこと多すぎるよ…
ついに私は泣いた。友達の彩音がかけつけてきた。
「もぅ、最後の最後で泣いちゃダメだよ~。さぁ、里衣奈と帰ろ!」こうして3人と教室を出た。
校庭の桜の木。3人で見に行ったけど、まだ蕾だった。
「この桜、ウチらみたい。これから満開になる。…まさにウチらだよ!」
里衣奈が元気よく言った。確かにそうかもしれない…
思い出話に夢中になってたら、それぞれの家に行く分かれ道に来た。
私たちは円陣をくんだ。
「ウチらがこうして帰るのも最後!学校が違っても、ずっと心友だよ!!」
「絶対また会えるから、絶対泣かないこと!もし泣きたくなったら、メールとか電話をすること!」
「今までありがとう!そして、これからもよろしく!」
一人一人、メッセージを伝えて、バイバイと言ってそれぞれの道を歩んだ。
いつもの帰り道のように、一人一人が違う道を歩んでゆく。でも、違う道を歩んでいたって、心はいつも同じ場所にあるから大丈夫。
あの校庭の桜のように、きれいな花を咲かせ、誇らしく、自分らしく生きていこう。
これからの道を後悔しないように、一歩一歩踏みしめて歩いていこう!
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