プロローグ

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5月、この東高校に入学してからもう一ヶ月たった。 校庭の桜の花はもう散って、青々とした葉を生やしていた。 福田瑞希(フクダミズキ)、15歳。 人見知りの私は、いまだにクラスに馴染めずにいた。 中学から一緒の子がクラスに居なかったため、友達ゼロからのスタートだった。 無愛想そうに見えるらしいこの顔が災いしてか、クラスの人から話しかけられることは無かった。 人見知りなうえに内気な私はなかなかクラスの人に話しかけることも出来ず、もたもたしていたら、クラスメイトたちはは気の合う者同士で集まり、仲良しグループが出来始めていた。 そんな仲良しグループの輪に入っていけず、私はクラスでひとりぼっちになってしまったのだった。 みんなが晴れやかな明日へ向かう中、私だけが一人、取り残されていた。
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