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「あぁー…?おかしいな…あれ…この吐息って…ははは…」
周囲の音と気配に集中するものの、痛いほどの無だ。
『グフゥー…グフゥ…グゥー…フゥー…』
明らかに人ではない。
そう、ちょうどこんな息遣いを拓馬はどこかで聞いた気がして記憶の引き出しを開け続け、ようやく思い出した。
「…熊だ…!!」
動物園で聞いたような今にも食らい付いてきそうな荒々しい吐息、そして現段階の日本において最も危険で意外に身近な野生動物。
総合的に考えても、確実に熊だろう。
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