深夜徘徊/キケンダイ

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手が、足が、体が震え出す。  何が夏男だ、何がコンビニだ。 何にわくわくしていたんだ。熊か、まだ見ぬ初の生の熊に出会うことにか。   熊に襲われるぐらいなら大人しく家にいたら良かったんだよ。どうしたんだ、何がそんなに俺を外へと誘い込んだんだ。 今まで生きてきてこれほど後悔した事は無い。  そもそも後悔などするだけ無駄だと思っていた、今この時までは。  いやいや、そりゃあ後悔もするだろう。  今日、この時間に外を出歩かなければ熊に殺されることも無かったのだから。
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