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「…ん」
ガタッとリビングの方で大きな音がして、僕は目を覚ました。
未だにガタガタと何かをしている音がする。
途中、パリンと皿の割れる音もした。
「ま、まさか…泥棒!?」
全身の血の気がさぁーっと引いていくのが分かった。
恥ずかしい話、僕は強くない。
いや、見た目からして強く見えないだろうけど…。
期待を裏切らないほど、弱い。
だから、こんなときどうすればいいのか全く分からないのだ。
「た、たしかここにヌンチャクが…!」
和沙が護身用のために、と僕の部屋のクローゼットに、ヌンチャクと竹刀を置いてくれていたのだった。
…使い方分からないけど、いいよね?
僕は意を決して、右手に竹刀、左手にヌンチャクを持ってそろりとドアを開けた。
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