プロローグ・幼なじみと俺

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まぁ、とにかくいろんな事で、特出することもなく、だからと言って落ちこぼれているわけでもなく、その他大勢のど真ん中にいる自分は毎日をただ成り行くままに過ごしていた。 だからやっぱり普通に高校に通って、与えられた範囲から出題される期末テストとやらの全くもってうざったらしい物にそれなりの結果が欲しくて、最後の悪あがきをするべく狭い電車の中で世界史の教科書を開いたりしているわけで。 カタカナとかなんたら十四世とか多いわ、ややこしいわでイライラが更に加速する。 さらには漏れ聞こえてくるアイドルの声がやっぱりうざったらしい。 だいたい、いい歳して十代の集まりに以下略。 それにしても暑苦しい。 狭い。あ、そして臭い。 一度意識するともう鼻をついて離れない香水の臭いが吐き気を誘う。 だいたい、いい歳して今更化粧したところで以下略。 これを言ってしまえば俺は間違いなく全世界の女性を敵にするだろう。 でも見た目やっぱり五十代で、そんなあんたがいくら化けたって無理だろ、とかフリードリヒ二世が言ってるんです、はい。 というか、そろそろ後ろでクラスの男の品定めで盛り上がっている、どこぞや女子高生三人グループがうっとうしくなってきましたが。 何よりけばいし。 茶髪でスカートが短くて上のブラウスを着くずしているものだから可愛いんです。 タイプではないですが。 クラスに必ずいる少しやんちゃな女の子達です。 でもその中で、一人間違っている奴がいるのが気になっているわけで。 はっきり言うとデブい。 茶髪でスカートが短くて上のブラウスを着くずしてはいるがデブい。 はっきり言って、グループ間違ってますよ、ってさっきからエカチェリーナ二世が言ってます。 頑張って、やんちゃなグループで意気がっても、デブいと…やっぱり以下略。 だって茶髪でスカートが短くて上のブラウスを着くずしている普通の体型の女の子はイケてる女ってのが定義なんだと思う。 顔はたぶん関係ない。 だって化粧すればいいし。 だからデブい、それだけで、あぁ、頑張ってるんだな、とか思ってしまうんだよな、と以下略…できてない。笑い。 でも、まぁ、どれもこれも思っているだけで、口には出さないし、だから平凡なわけで、善くも悪くも良い人止まりな俺はやっぱり中途半端でめんどくさい奴なのだ。
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