プロローグ・幼なじみと俺

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それにしても暑苦しい。 教科書を持つ右手がそろそろだるくなってきた、てかこんな奴いたっけ?、誰?、どんな政策をした人だったっけ?、てクエスチョンマークが並ぶ。うーん、もっと授業聞いていればよかったかな。ドンマイ。 そもそも自分は大学受験科目は日本史なんですが…あと、英語と現代文、古典というわけで。 まぁ、自分は日本人だから英語も古典も必要ないわけで、ましてや過去になんて興味はありません。それも外国の。とか我ながらくだらない屁理屈だなとか思っていると車内アナウンスで自分の下車駅が呼ばれているのに気付く。 横から「着いたよ」と一言。 「わかってる」「ならいいけど…」 少し八つ当たり気味に応えてしまう。いくらイライラしているからって最低だなと自己嫌悪。 「怒ってる?」とか訊いてくるもんだから、ますますイライラ。 「怒ってない」と出来るだけの笑顔で応えて自己嫌悪。 すると、ニコッと笑って、「よかった!」とか言うと、世界史の教科書を手提げカバン代わりに使っているどこぞやのブランドの紙袋に入れると先に下車して行った。 全くもって、どうして女は弁当をわざわざ分けて持つのだろうか?、カバンが弁当臭くなるから?とか考えてみる。実際はリュックだけど。てかもし臭い云々なら、世界史の教科書が弁当臭くなりますよ。とかニコライ一世あたりが以下略。
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