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閉ざされた襖。
入る事を許さない、とでも言うように
凛と貼り詰めた空気はひどく息苦しい。
「まだそっとしといたらええき。」
不意に聞こえた声に襖に掛けた手が止まる。
状況を把握しようと辺りを見渡した朱髪の男は、暗く静寂に包まれた廊下の奥の気配に顔をしかめた。
「…龍馬、何故お前が此処に居る。」
そう尋ねる声音は表情同様、不快な色が滲んでいる。
「湯上がりに縁側で涼もうと思っての。」
鋭い視線を気にする風もなく龍馬と呼ばれた男は答えた。
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