雨を待っている

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君がいた日を振り返るより 君がいる明日を いつまでも繰り返していけたならば 「大人になんかなりたくない」と 強く感じていたのに 私は変わってしまったよ 愛を探した だけど愛なんて何の確証もなく 形がない 手で触れて確かめることも出来ない それなのに 少しだけ触れてみたくて手を伸ばしたんだ そして触れて感じることができなくて 不安に満ちてしまったの ただ感じた心で そっと静かに温めていけばよかったはずなのに 私は愛されることに慣れ過ぎてしまって 人の痛みさえ 忘れてしまっていた気がする だから君の涙を見て見ぬフリをした あと少しの勇気が足りなくて そう それは晴れた日 あなたが見せてくれた二人の未来 眩し過ぎて 私は目を反らし この手であなたの手を 自ら離してしまったの だからいつも二人 曇り空の下を 共に歩いていた 傘なんて持ち合わせていなかった二人だから 雨空の下は 怖くて歩くことすら無かった私たち 雨に打たれ冷えた体を 温めてくれる優しさが あなたにはもう無いと 解っていたから ねぇ このまま君に届くことなく 消えていくのかな ねぇ たくさん傷付けてごめんね ずっと子供みたいな私でごめんね あなたの為なら 大人にだってなれたはずなのに このまま消えていくのかな
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