第1話 奇妙な光景

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「………って違ぁ~~う!!」 「?」 肝心なことが解決していない。 「誰だよ!こんなところにパソコン置いたのは!!」 こんなところにあるべきもんじゃない。第一こんなとこにあったら練習の邪魔だよ。 「落ち着いて。とりあえずベンチの方に持って行っとくから。」 「ああ、頼む。」 ちょっと熱くなりすぎたかな。パソコンがマウンドの上にあったぐらいで………。 ……………………。 うん、どう考えてもおかしい。 「あれ?」 ん? 「どうかしたか?」 「プレートとくっついてて取れない……。」 「へ?」 どういうことだ? 俺もパソコンを持ち上げようと試みる。しかし、持ち上がらない。ぴったりとプレートにくっついている。 「一体どうなってんだよ………。」 ランニングで暖めた俺の体も冷めてきた。 今日は練習やめるかな……。つき合ってくれたエミルには申し訳ないけど。 練習する場所がないわけじゃない。マウンドを使わなきゃいいだけなんだけど、このパソコンが気になりすぎてもうすっかりやる気を失っていた。 それに、エイジも来ねえし連絡も取れねえ……。 「なんか冷めた。今日はもう練習やめるか………。」 「カイト…………。」 エミルも残念そうな顔で俺を見る。 「せっかくだからこの後さ、2人でどっか遊びに行こうぜ。」 「うん。」 「さてと。」 俺はもう一度パソコンに目を向けた。 パソコンはデスクトップ画面を表示している。 「え!?」 待て。確かパソコンの電源は入っていなかったはず………。 あれ?でも、さっきエミルが触ってるときはついてて……。 「な!?」 「え?」 次の瞬間、パソコンを中心にものすごい風が巻き起こり、 「うわぁぁぁーー!!」 俺は気を失った。
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