鬼の棲む寺

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「出て行くなど許さんぞ。金剛宗の戒律であってはならないことだ」 「十分話し合ったはずでしょう。私にはもう耐えられない。もともとこの結婚が無茶だったのよ」 「しかし、ご住職がなんというか」 「もううんざり。あなたにも、あなたの大事な古臭い寺のしきたりにも。この子は私がひきとりますから」  そう、俺の両親が離婚し、この町から離れなければいけなくなったその日までは。
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