六話目~何もない“最高”の風景~

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「あ、これ」 ポケットから、割烹着の女の子のキーホルダーを出した 「何これ」 「あの写真、佳作取った」 「被写体が良かったんだよっ」 「ふっ」 「ふふっ」 「ほら」 「お財布に付けてもいい??」 「好きにしろ」 ポケットにそれをしまうと、自然と彼女が腕を絡めてきた 「たまにだからい~のっ」 「わかったわかった」 こうやって、私は少しずつ彼女の世界に吸い込まれて行く… 彼女に着いて行くと、川原に案内された 「シンプルだけど、綺麗でしょ」 「…」 両手でカメラを持ったまま、私は動かなかった 全く車が走っておらず、川のせせらぎが延々と耳に入り… ずっと先まで田園が続いている… 美しい… こんな場所が、限界集落だなんて…
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