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「どした~??」
「郵便局で待ってて~」
郵便局…か
郵便局は、集落の中心にあり、住民の集合場所になっていた
住民にとっては、何の変哲もない郵便局だが、私にとっては実に良い風景になる
何故なら、郵便局の真ん前に生活用水路が流れており、時々配達員が足を付けて羽を休めているからだ
それに、局の中に駄菓子が売っている実に珍しい郵便局だ
「そういえば…」
確か、ここ限定の切手があったような…
「いらっしゃい」
「五十円切手を五枚」
「はいよ。」
ここの郵便局は、民家と一体となっており、カウンターより後ろは普通の民家になっていた
タンスから五十円切手を出し、私の前に置いた
「これだ」
「切手収集かい??」
「いえ…デザインが好きなので」
「そうかい」
小さな紙袋に入れて貰い、二百五十円を置き、私は郵便局を出た
この切手のデザインは、私にとって、ものすごく嬉しい
私の撮った風景がデザインとなっており、割烹着を着た、すまし顔の楓が写っているからだ
この切手を手に入れるには、ここしか無い
なので、ネットで随分高値で取引されている
確か、五千円から一万円だったかな??
「はい、置いてきた」
「どこ行くんだ??」
「ぜんざい食べに行くの」
「こんなあっついのにか??」
「行ってからのお楽しみ。行くよ」
彼女が連れて来てくれたのは、ちょっとしたベンチがある小広い駄菓子屋だった
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