九話目~夕焼けカァカァ~

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「カァカァさん鳴いてるね」 「うん」 「ケロッピも鳴いてるね」 「うん」 「ミンミンさんも鳴いてるね」 「うん」 彼女は、動物の名前を鳴き声で呼ぶ 学力が足りず、少し子供っぽいが、その反面、家庭ではしっかりしている 「楓、あれ何て言うんだ??」 私が指差した方向には、アヒルが田んぼで泳いでいた 「あ、ガーガーさん。珍しいね、ホントはグワグワ使うのに」 「グワグワ??」 「くちばしでっかい、緑色の鳥。食べると美味しいんだよ??」 あぁ、カモか 「あ、ウサさんの匂いだ!!早く!!」 手を引かれ、家に急ぐ 「ただいま!!」 「お帰り。丁度えぇ、飯出来たぞ」 「ウサさん!!??ウサさんだよね!?」 「食わんと言っても食うのがお前だろ」 「あちゃ~、あんたには見切られてたか」 三人で、いろりを囲む 「美味しい美味しい」 笑顔でバクバク食べる楓 家の中に、シャッター音が響いた
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