一話目~限界集落~

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「おや、あんた!!来たのかい」 「“あいつ”は??」 「畑行っとる」 「そっか、ちょっと顔見て来るわ」 「丁度ええ、飯作ったから、呼んで来てくれ」 「わかった」 荷物を置き、カメラだけ持って、畑を目指した 「あれか」 遠くに見える、一人の女性 私は彼女にカメラを向け、何度かシャッターを落とした 「おっと」 フィルムが切れた 替えのフィルムは、確か内ポケットに… 「あっ」 フィルムケースを落としてしまい、あぜ道を転がる 「ほれ」 「あっ、すいません」 「気をつけるさ」 くわを担いだおじさんに、フィルムケースを取ってもらった 「あの娘をとっとるのか??」 「あ、はい。田舎で働く若い女性は珍しいですから」 「そうか。ま、ガンバレさ」 「ありがとうございます」 もう一度、彼女にカメラを向けた ちょくちょく休憩しながら、野菜を収穫している 彼女は、何処にいても写真になる
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