死のゲーム

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黒い涙と真っ黒な固まりが流れ出ている。 厚化粧だったようだ。 すごくモンスターに近い顔をしていた。 真っ黒で怖い。 すっぴんのアンナは、顔のコンプレックスを隠す為に厚化粧をして、自分ではない〝可愛い仮面〟をかぶっていた。 光が歌い出した。 『皆、仮面を剥いじゃえば🎵中身は皆…』 『恐い顔🎵』 皆が一斉に呟いた。 この歌は、全国の小中学生が読み、共感しているケータイ小説〝仮面〟に出てくる歌の一部だ。 でも、Zクラスになるぐらいグロテスクな作品でもある。 わたしは、なぜかすごく寒気がした。 私は何かを忘れてはいないか? っっ!! 杏が… 死ぬのか…? 罰って何? 皆の前ではずかしい事をするの? 何? 『ねぇ…拓?皆?』 ザワザワ 「ど、どうしたの杏?」 私が、優しく聞いた。 『綾乃…私が死んじゃうのに、よく平気でいられるね? ねぇ、皆…? 私が自殺しないと、罰を受けるんでしょ?なら… 死ぬわ!!』 タッ… バタッ 水溜まりができるほどの大量の血。 『きゃあああああああ!』クラスからは数々の悲鳴が上がった。 『お、おい!? 杏が…い、遺書書いてるぞ!?』 直人が拍子抜けた声で言った。 カサッ ー拝啓 拓、そしてクラスの皆さんー 私は、今まで貴方達に悪い事をしてきました。 だから、私はこんな命令がアンナ様から下されたのかもしれません。 悪い事というのは、私が生きている事です。 これほどの嫌がらせは他にありません。 拓、今まで無理矢理付き合わせてごめんなさい。 貴方の人生を少し奪ってごめんなさい。 私は、この重い罪をつぐないます。 みなさん、お元気で。 追伸:このゲームで、私のような裏切り物を出さないで下さい。 か 『ヒックヒック…』 クラスからは泣き声が聞こえた。 でも、何かひっかかる。 最後の〝か〟という文字…なぜ杏は変な文字を書いたのか? でも、変な跡もなかった。 その時、私は気づかなかった。 その言葉が、Qがこのゲームで伝えたかった事の一部だなんて…
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