生の実感、死の実感。

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 僕は教師を含め、クラス全員を殺した。  もちろん、ただ殺したんじゃない。  愛、優しさ、誠意。  憎しみ、恨み、妬み。  僕の持つ感情すべてを、『心』を込めて殺した。  2011年2月、高校入学からもうすぐ一年。  つまり学年が一つ上がる、二年生になる日が近づいているということだ。  クラスメイト達は冬の冷たい空気と次のステージへの興奮に包まれていた。  僕も、人知れず興奮していた。  新しい生活にワクワクとかそんな小さいものじゃない。  なんというか、生きている!鼓動を感じる!とか、鼓動を感じない!死んでいる!とか。 生の実感、死の実感。  体だけじゃなく魂までもがゾクゾクするような、そんなゲームが始まると思うと不意ににやけてしまう。
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